着物の歴史 ~おはしょり~
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今日は着物の“おはしょり”の歴史を調べてみました。
男性の着物は背丈に合った対丈で仕立てられている一方、女性の着物は少し長めの丈に仕立てられています。
そこで、女性が着物を着付けるときにはおはしょりをつくります。
おはしょりとは、腰の上あたりに腰紐を結んで着物をたくし上げ、折り返した部分です。
これをつくることで、着物がちょうどいい丈で着られます。
おはしょりをきれいにつくるのは意外と難しく、着付けの初心者が苦戦するところでもあります(^_^;)
現代では、おはしょりをつくった上から帯を締めるため、
たくし上げている位置が帯の下に隠れるので、腰紐は外から見えません。
実は、このような着付けをするのは意外と最近で、明治時代のころからだそうです。
現代の着物のもとになっている小袖は、室町時代の終わりごろにできたといわれます。
このときはまだ女性の着物も対丈で仕立てられていたので、そもそもおはしょりをつくる必要がありませんでした。
女性の着物の丈が長くなりはじめたのは江戸時代の中期ごろです。
着物のかたちや帯の結び方でおしゃれをするようになり、
女性は屋内で着物の裾を引きずり、外出時は褄(つま)を持って歩くようになりました。
しかし、着物を持って歩くのはやはり不便なので、外では着物をたくし上げる習慣が生まれます。
これがおはしょりのはじまりです。
ただ、このときのおはしょりは帯を締めたあとにつくりました。
本来の帯の下にしごき帯というもう1本の帯を締めて、そこで着物の長さを調節したそうです。
その後、明治維新を経て女性が外に出る機会が増えると、
はじめからおはしょりができているほうが便利という考え方が生まれます。
このため、帯を結ぶ前におはしょりをつくるようになったのです。
今は夏真っ盛りで、浴衣を着るのにピッタリな季節です。
浴衣を着る際は、きれいな“おはしょり”で着こなしましょう!(*^_^*)