たままゆ
群馬県の中央に位置する赤城山山麓の桑の葉を食べて育った玉繭(たままゆ)は二頭の蚕が共同で作った繭です。
今では大変貴重な繭となりました。製糸には不向きな繭を煮て糸を手引きして絹糸を作ります。
これを上州座繰りと言います。
製糸機の様に高速で均一に巻き取ることはしないので糸は細かったり太かったりします。
人の手で繰るので糸はふんわりとして糸の中に豊かな表情があります。
上州座繰りでは玉繭60~70個を大鍋に入れ、糸がほぐれたら「もろこし」と言われる器具を使って糸口を引き出し
撚りをかけながら製糸していきます。この時の火加減、繭を煮る時間など熟練した手法が糸の品質を左右します。
生地は玉繭を使うことで糸には特殊な節が生まれます。生糸にはフイブロリンとセリシンのタンパク質でできており、
生紬には糸の硬さの元になるセリシンを少し残すことで、生紬独特の張りを生み出し、手触りにシャリ感が生まれます。
しょうざんで1971年に誕生した生紬は、新素材や機械化が進む中確かな手作業にこだわって、自然の持ち味を生かした作品です。
かずのの開催中の「さきがけ展」では、座繰り糸体験がご覧いただけます。絹糸の自然の風合いと味わいを手にとってご覧ください。
皆様のご来店をお待ちしています。 ばんばちゃんでした。